日曜劇場≪ノーサイド・ゲーム≫第四話 あらすじ ネタばれ

2019年8月4日(日)放送

日曜劇場≪ノーサイド・ゲーム≫第四話のあらすじです。

ネタばれありなので、ご注意ください。

プラチナリーグ開幕

プラチナリーグが開幕した。

プラチナリーグ 第一節

アストロズ(前年度16位)VSタイタンズ(前年度7位)

アストロズにとっては格上の対戦相手である。

前年度最下位だったアストロズが、柴門監督によってどう変容したのかの注目の一戦となった。

監督と選手の試合中の考え方が同じになってきた。

浜畑はパスをだした。そこからパスをつないでいくアストロズ。

里村は安西のことを全く見ずにパスをだした。安西がその場所に来ると信じてパスを出す里村。パスが来ると信じて走った安西。2人の思いが通じ、いい展開となった。

「合宿の成果だ。家族になりつつある。」と柴門は言った。

そのまま最後に岸和田がゴールを決める。

結果、【31対10】でアストロズの勝利となった。

博人やりゅういちも応援に来ていた。客席にはたくさんのサポーターで埋め尽くされていた。たくさんの人がアストロズの後押しをしてくれたのだ。

その光景をみて思わず「たまらないなぁ」と漏らす君嶋だった。

初戦後の変化

ジュニアアストロズの参加者は、すごく増えた。試合の効果である。

佐々が仕切るが子供たちからは「浜畑に教わりたい」「安西に教わりたい」などと言われてしまい複雑な表情をする佐々。

家に帰り君嶋は「子供は正直だな」と今日の出来事を妻に話す。

「残酷だよね。でも誰でもスターには憧れる。私だって羽生くんが教えてくれるなら、今からでもスケート始めるもん」なんて冗談交じりに返す妻。

博人のランドセルを開けた君嶋は、ランドセルの中から博人の絵を見つける。ラグビーの絵だった。博人は最近ラグビーに夢中になっていた。

喜ぶ君嶋であったが、その絵の裏のテストの成績を見た妻は「ラグビーにうちこみすぎて成績落ちるならラグビーやめさせるから」と。

滝川の反応

「開幕戦、華々しい勝利だったな」と君嶋に言う滝川。

「勝利だけでなく、スタンドにはたくさんの地域の人がきて応援してくれた。14024人。昨年の5倍弱もの観客が入った。ここから更なる集客を狙います」という君嶋に対し、滝川は

「こんなの最初だけだ。人は興味を持つのも早いが、飽きるのも早い。そんなに甘いものじゃない。二度三度と試合を続けていくうちに、間違いなく客足は遠のいていく。結局14億の赤字を抱えたままだよ。今のままだとやればやるだけ迷惑がかかる。ラグビー部が今まで生き残れていた一番の理由は、島本社長の肝いりだということだ。しかしその社長も今やご高齢。今のTOKIWAに必要なのはスピードだ。重しとなる邪魔な荷物は捨てるべきだと思わないか?ラグビー部はこの会社に必要だと思うか?さらに言うとラグビーこのは国に必要だと思うか?14億という金の重みをよく考えろ。」と言われる君嶋であった。

2試合目

ひとつ勝ったくらいで浮かれている場合じゃないな。もっと勝つ。もっと客を集める。もっともっとだ。思い通りにさせてたまるか。

と気合を入れた君嶋であったが、アストロズの2試合目は…

場所は大阪万博記念ラグビー場。

観客席はガラガラだった。開幕戦はホームだったけど、わざわざ大阪まで足を運ぶサポーターは少ない。まずい。このままでは滝川の言う通りになってしまう。と焦る君嶋。

プラチナリーグ 第二節

アストロズVSサンウォリアーズ

観客は5000人。開幕戦の3分の1であった。

試合は就任前に柴門監督が磨けば光ると予想していたスクラムがサンウォリアーズのFWを圧倒し、着実にアストロズが得点を重ね、勝利をおさめた。【16対27】

3試合目

熊谷ラグビー場にて。

プラチナリーグ 第三節

アストロズVSサンダーズ

一転して点の取り合いになった3試合目。里村・浜畑を中心に多彩な攻撃を展開いていった。

里村の活躍を見ながらチームメイトに「里村がいる限りお前の出番は一生ないな」と言われる佐々だった。

浜畑の心拍は185を超え、距離にして8キロも走っていた。

バックスでは群を抜いた活躍で、ばて気味の浜畑。

「歳には勝てないか」と石川にウォームアップをさせ、浜畑との交代を促した。

「浜畑代えて大丈夫なのか?」と聞く君嶋に

柴門は「今の浜畑のトライで敵は戦意を失った。この試合は勝った。」と言う。

しかしこの熊谷の会場にも観客は全然来てくれなかった。

「大半の日本人は今、社会人ラグビーが開幕していることすらしならないんだよ。日本中に知らせるには、やはりメディアか」と君嶋。

雑誌

ビジネス系雑誌の【フューチャーフォーラム】

コアなラグビーファンだけでなく、潜在的な顧客を得ようと思って企画を出してみたと君嶋は言う。

雑誌の人たちがアストロズを見に来た。

「おもしろいと思ったのは、主力だった外国人選手2人が抜けたのにアストロズは去年より強くなっているということだ。その秘密はなにか。柴門の手腕やリーダー論がビジネスにも通ずるものがあると思った」と記者は言った。

本当は協会主導でこういう宣伝をしてくれるといいんですけどね…と君嶋。

佐々は雑用を任されていた。

日本蹴球協会

君嶋は雑誌の件を話に来ていた。

そこで鍵原と会った君嶋。

「意外といっては失礼だが、開幕から調子がいいようで。」という鍵原に対し

「今年は優勝を目指していますから。私の目標は優勝すること。全試合満席にして、しっかりと収益をあげることです。」という君嶋。

「優勝に満員ですか。素人GMの冗談は面白さを通り越して寒気がする」と鍵原は笑い、立ち去った。

そこで、鍵原はアストロズの取材について嗅ぎまわっていた。

工場にて

「今度受注予定の府中グリーンカントリーのゴルフカートのエンジンは、生産ラインをすべてコンピューター化することになった」との報告があった。

後の説明は佐々に任された。

「皆さんには検品作業を今後はお願いすることになります」と説明を加える佐々。

今までの仕事と関係ないじゃないか。リストラってことかよ?ラグビー枠でろくに仕事もしないあんたに指示されたくないよ。とクレームは佐々に向く。

浜畑が「皆さんこれは本社の方針なんだ。わかってくれ。」と加えた。

佐々は書類を営業部に持って行った。しかし、営業部は誰もいなかった。電話が鳴っているが誰もいない。近くにいた社員に電話に出てくれと頼まれ、佐々が電話に出た。

「府中グリーンカントリークラブとの打ち合わせ時間が6時に変更だそうです。石井さんにもお伝えください」と伝え、書類を渡して立ち去る佐々。

佐々のミス

アストロズは、ファイターズの試合を分析をしていた。昨年は1点もとれずに負けた相手である。試合まであと2週間。それまでにいろいろ詰めていこうと岸和田が決起づけた。

「相手がこう守るなら、こっちはこう攻めるか。おもしろいな。まるで詰将棋だ。」と君嶋は言った。

ラグビーは闘う前から試合が始まっている。去年負けたのは分析力の差だ。

私の責任ですと言う佐倉。

「仕方ない。ファイターズは最新のAIを導入して、シュミレーションしている。うちはアナログ。しかも佐倉一人ですから。」と岸和田。

AIはただコンピューターに覚えこませた膨大なデータを基に、確率論的にシュミレーションしたもの。スピードは、かなわないかもしれないが、時間をかけて取り組んだ方がより深い分析になると君嶋は言った。

「柴門監督から細かいリサーチの指示がきているから、これをデータ化して分析がんばります」と言う佐倉の膨大な量の分析を知り、佐々は「俺、手伝いますよ」声をかけた。

アストロズのメンバーたちは、里村にサインボールを頼んでいた。里村のサインボールが人気があるからということだった。

そして、佐々に営業部から電話が来た。

【打ち合わせは6時じゃなくて16時だったんだよ。こういうミスは困るよ。とにかく今から向かうけど遅刻だ。この案件をとるために営業部がどれだけ力を入れていたかわかってるのか。】と怒られてしまう佐々。

「すぐに謝りに行っています。」と里村のサインボールを持って出た佐々。

「お前相変わらずドジだな」とメンバーからは言われてしまう。

青野への謝罪

青野のもとへ行き「こちらの手違いですいませんでした」と営業部の社員が謝っていた。

「こっちも急な変更だったので。」と青野との打ち合わせが始まっていた。

そこへ佐々がやって来た。

「昼間お電話を承ったが、私の手違いで申し訳ありませんでした」と謝罪をし、青野は「今後は気を付けて下さいよ」と言った。

「それとお詫びといってはなんですが、青野さんはラグビーがお好きと聞いたので…このサインボールは、里村さんが書いてくれたものなんです。里村さんはアストロズ唯一の日本代表なんです。アストロズの誇りです。ラグビーを好きな方ならわかっていただけると思って」といい、里村のサインボールを渡した佐々。

しかし青野はサイクロンズのファンであった。

「失礼しました」と佐々は言ったが、また青野の機嫌を損ねてしまったか…。

その後、佐々が謝りにいった府中カントリークラブのカート60台分の発注がキャンセルとなった。

明確な理由は話してくれなかったそうだ。

考えられる原因は、〈打ち合わせの時間を間違えたこと〉と〈最後にサインボールを渡した人がサイクロンズのファンだった〉ということくらいだということだ。

機嫌を損ねてしまったのだろうか。

ただでさえ工場の業績が落ち込んでいるのに困ったことになった。カート1台150万円、60台分あわせて9000万円にもおよぶ。

それを知った滝川は、

「TOKIWAは工場の完全AI化を目指している。そんな中でこの最新式ゴルフカートは、いいテストケースになる予定だったんだ。まさかラグビー部に台無しにされるとは…」と言った。

君嶋は「これから挽回していきます」と言ったが、

「挽回ねー。しかしラグビーの試合は私が言った通り、客が入っていないようだね。」と指摘された。

前回は2531人だった。

「現状の集客方法には限界がある本社の宣伝費を少しまわしてほしい」と頼むが

「本来ラグビー部の活躍で宣伝効果があるという理屈で14億も払っている。そこに宣伝費までまわせはおかしい。そろそろ試合終了だな。」

と言われてしまうのであった。

アストロズの弱点

練習中に集中しろと柴門に注意を受けるメンバーたち。

遅れてきた佐々。メンバーたちは佐々に疫病神、お前のせいで会社で肩身が狭いんだと口々に言った。落ち込む佐々。

佐々の一件で皆、集中がなくなってきている。それに疲れもでてきているようであった。

「いよいようちの弱点が表にでてきたな」と柴門は言う。

アストロズの弱点は、”選手層の薄さ”だ。試合が続くと、レギュラー陣にどんどん負担がかかっていく。特に浜畑は疲労もピークに達していた。

浜畑の控えが必要だが、浜畑の代わりが務まるような人は早々いない。

「七尾がいればなぁ」と柴門が言った。

七尾…確か前に…〈俺はラガーマンじゃなく、サラリーマンになるつもり〉だと言っていた男だ。と七尾を思い出す君嶋。

「ないものねだりをしてもしょうがない。なにか他の方法を考えよう」と柴門は言うのであった。

七尾に会いに行く

君嶋は七尾に会いに行っていた。

どうやら七尾はTOKIWAの三次面接残っているそうだ。そして他の会社からは、まだ内定はもらっていなく、いろいろと就活中だということだ。

君嶋は「それはよかった。我がTOKIWA自動車に来ないか?」と言った。

その言葉に七尾は「それはラグビーやることが条件ですよね?」と尋ねる。

「そうだ。うちにはラグビー採用の枠がある。アストロズに来ないか?」と七尾を誘う君嶋であったが

「ありがたいお話ですが、私はラグビーはやめたんです。最初から社員として働きたい。」と答える七尾であった。

それを聞いた君嶋は「それが君にとっての人生の戦略ということか。しかしそれは君にとってベストな戦略なのだろうか?戦略というのは自分の強みをどれだけ活かすことができるかだ。君の強みはラグビーなんだよ。だったらその力を自分のためにも、会社のためにも活かすべきだ。」と強く言った君嶋。

「ラグビーをやめて日本に来たんです。日本でラグビーをやる意味がない。日本では、ラグビーで食べていくことは難しいんですよね?この国ではラグビーなんて必要とされていない。せっかくの話ですが、申し訳ありません。」と断られてしまった。

フューチャーフォーラムの記事

この間、取材を受けたフューチャーフォーラムの記事に目を通す君嶋。しかしそこには大きく津田監督が載っていた。

”日本代表を次々と輩出するサイクロンズの名将津田監督のリーダー論”と。

なんとアストロズは小さく少しだけ載っていただけだった。

すかさず電話をかける君嶋。アストロズの活躍がおもしろいと言っていたのにどうしてだ。

しかし記者からは「すいません。少々方針が変わりまして。やはり世間の注目は日本代表なんです。すいません」と切られてしまった。

雑誌には【日本モーターズ】の記事が大きく載っていた。サイクロンズの所属会社である。スポンサー契約を結んだことを察知した君嶋であった。

一方、津田監督は記事をみて「悪くはないな」と鍵原に言った。

アストロズは今のところ連勝し続けているが、あそこは選手層が薄いから次は無理だろう。勝つために必要なのは資金力だ。優秀な選手はもちろんどれだけスタッフを集められるか。宣伝も金の力でできる。柴門もアストロズもここまでだ。と話す津田と鍵原であった。

取締役会

カザマ商事の買収が1千億円から200億下がり、800億円となった。今後10年、いや20年を勝ち抜く業界トップシェアを奪還するために、今買収に打って出るべきだと考える。と滝川が話した。

島本社長も「この価格が適正であるというなら、反対する理由はない」と言った。

拍手が起こった会議であった。

このままでは、ラグビー部が屈強に追い込まれてしまう。これから滝川の時代が来る。

【トキワ自動車 オイル専門商社を大型買収】と新聞記事にも載った。

情報がでるのが早すぎる。正式契約はまだなのに。もしかしたら滝川が情報をリークしたのかもしれない。この買収がうまくいけば、次期社長は自分だからなという勝利宣言みたいなものだ。これからTOKIWA自動車は大きく変わっていくようであった。

電話が鳴りやまないTOKIWA自動車。カザマは海外系列支店もあり、世界市場が一気に広がるようであった。

役員たちもこれからの時代、世界と戦うには島本社長の保守的な路線より、滝川の攻めの経営で推し進めていくべきと声をあげているとのこと。

しかも滝川はTOKIWAが手掛ける自動車以外の採算のあわない事業部門をリストアップしているとのこと。精査して、役員会で見直しを提案したいという話もあったそうだ。

つまり、負債を減らすために、縮小リストラだ。

ラグビー部も何人か減らさないといけないかもしれない…

妻との会話

「この買収ってあなたが前に猛反対してたやつ?」と妻に聞かれる君嶋。

「そうだ。1千億だったけど800億円になったから、そう悪い買収にはならないかな。」と君嶋。

「あなたが反対したから200億円も得したのね。お手柄ね。〉と妻は言うが

「お手柄は滝川だ。まいったよ。相手は800億円の大型買収をしている。世界が違う。こっちは雑誌の広告ひとつ買い取れないのに…ばかばかしい。結局滝川には勝てない。俺もラグビー部も必要ないんだ。」という君嶋。

「じゃあやめれば?家の事は心配しなくていい。私働くから。」なんて妻は言う。

なにやってんだ俺…と頭を抱える君嶋であった。

佐々の提案

9割方ファイターズの守備陣への対策はできてきた。

そろそろあがろうという声があったが、佐々は「よかったらもう一回やりませんか。全てを確認したわけではないから。」と言った。

佐倉もまだいくつか確認したいことが残っていると言った。

渋る部員たちであったが、佐々・佐倉の提案に里村が乗り「もう少しやってみよう」となった。

ライトをつけて、夜まで練習をしていた。

しかしその練習で、里村が負傷した。

里村のケガの具合は捻挫だった。靭帯まではいっていないとのこと。リーグ戦には支障はなさそう。

落ち込む佐々にメンバーは「ばかやろう。お前が余計なこというから。練習でのしすぎで、けがして本番出られなかったら意味ないだろ。」と責めた。

「責任は私にある。まだまだ確認しないと不安なことがたくさんあって。それを佐々くんに言ったら、だったら実践で試してみましょうって言ってくれたんです。」と佐倉は言った。

「そういうことか…でも柴門の要望にこたえようとした。自分の分析に妥協しないのはアナリストの長所だ。」と君嶋は言った。

佐倉の父

君嶋は佐倉に「なぜ君はアナリストになったんだ?」と聞いた。

佐倉の父はラグ日―選手だった。TOKIWAのバックスだった。TOKIWAに飾られている写真の真ん中で、優勝カップを持っているのが佐倉の父だ。

佐倉の父は、初めてTOKIWAが優勝したときのキャプテンだった。佐倉は子供の頃から父の試合をみて、声を枯らして応援していた。しかし。佐倉が中学の時に父は病気で亡くなった。

父が入院中、毎日のようにチームの仲間がお見舞いに来てくれていた。そしてそこで、どうしたらラグビー部が強くなるのかを、死ぬ間際まで真剣に考えていたそうだ。亡くなる前の日も、”ラグビーの友情は生涯の友情なんだ”と佐倉に笑顔で言ったそうだ。

どんな屈強でも決して色あせることはない。そんな仲間のことを父は最後まで考えていた。その父の笑顔が忘れられず、父の大好きだったラグビーはどんなものだったのか知りたくなり、大学で統計学を専攻した。

佐倉は今、父が身を削ってまで没頭していた理由がわかったという。今のアストロズはものすごく攻撃的で見ていてわくわくする。父のいた頃の昔のチームに戻ったみたい。そんな屈強でも決して色あせることはない。今のアストロズもそうであってほしい。と。

苦手なところをおさえて

博人の成績がまた落ちている。母は「また成績落ちたね。ラグビー辞める?」と言った。

博人は「塾を変えてよ。りゅういちくんと同じ塾。皆あそこの通っているから勉強ができるんだよ」と言った。

しかし母は「行ったところで結果は同じ。博人は今ラグビーに夢中で勉強から逃げている。塾のせいじゃなくて原因は自分にある。今のままでもいくらでもやりようはある。自分の苦手なところをちゃんとおさえてひとつひとつやっていけばいいの。」と言った。

君嶋は神妙そうな顔で聞いていた。

博人は君嶋と勉強に取り組んだ。満点を取る事が出来る博人。

やればできるということが証明できた。

満足げな博人は「じゃあパパラグビーやろう」と尚人も一緒にパス練習をしていたが、博人が蹴ったボールがテーブルの上にあるコップにあたりこぼれてしまった。母に怒られる博人と君嶋であった。

佐々の退部届

里村は松葉づえをつきながら戻ってきた。

「俺は心配ないよ。それより工場のやつらが俺らの事を話していた。けがの手当てを受けていた時に聞こえた。リストラするならまずはラグビー部員だろ。14億も使っといて仕事もできない。なんて言われていた」と里村は話した。

カートは俺らのせいじゃない。大体減らすって誰を減らすんだよ。とメンバーたちは話していた。

それを聞いた佐々は、自ら退部届を出した。

「やめさせていただけませんか。人を減らすことになるんですよね。これ以上迷惑かけたくない。これが一番の方法だってGMも思いますよね。」と佐々は言った。

君嶋は呼ばれてしまい「とりあえず預からせてくれ。」と言って去っていった。

君嶋が呼ばれた先には、工場の入り口に押し寄せるゴルフ場建設反対住民たちがいた。

どうやら府中グリーンカントリークラブを、カザマ商事が2020年に開業予定として開発をすすめているそうだ。買収の話がでたからここに押し掛けてきたとのこと。まだ正式発表前なのに…

キャンセルの理由は

困惑した君嶋は、青野に反対派への対応方法を聞きに行った。今までどう対応していたか伺いたいと。

青野は言葉に詰まった。

君嶋は「カートのキャンセルの本当の理由を教えて欲しい」と言った。

話をして向上に戻ると残業をしている佐々がいた。

「練習の時間じゃないか。」と君嶋は佐々にいった。そして、カートのキャンセルの本当の理由を佐々に伝えた。

ゴルフ場建設反対運動が過熱しているから、一旦工事をとめて延期になったとのことだった。工事の延期のため、カートがキャンセルになってしまった。佐々のミスが原因になったわけではない。また再開したときはTOKIWAに一番に声をかけてくれるとのことだった。

「キャンセルは向こうの都合。君のせいじゃない。また契約は取り戻せる。だから君がラグビー部を辞める必要はないんだ。」と佐々に言う。

「でも俺はいつもチームに迷惑をかけているから…。この前の練習も余計な提案をしたから、里村さんにケガをさせてしまった」という佐々に

「あれはチームが勝つために必要な提案だ。里村だって他のみんなだってわかっている。君の存在がどれだけ大事なのかが。君は誰よりもチームのために尽くしている。いつも雑用や裏方の仕事を率先して引き受けて、分析の手伝いもしてくれる。レギュラー陣が実践練習できるように相手チームを研究して、試合を想定した練習台にもなってくれている。君が提案した守備のパターンをもう一度皆で試している。何度も何度も。文句は言うけど君を信頼しているんだ。戦う前から試合は始まっている。君のサポートなしでは、アストロズは戦えないことを皆わかっている。」

それだけではない。青野は「確かに彼の連絡ミスは腹が立った。そこにさらにサイクロンズファンの私にアストロズさんのサインボールを渡してきて少々むっとした。しかし、”僕の誇りです”とあんなに仲間のことを誇らしげに話す彼を見て、いいチームなんだろうなぁと思った。彼が誇りに思うアストロズの試合を一度みてみたいと思った。招待ではなく、自分でチケットを買ってみたい。買わせてください。」と言ってくれた。

佐々のおかげでアストロズの観客がひとり増えた。

TOKIWA自動車が800億円の買収の話をしているときに、たかが2000円のチケット1枚売れたからってなんだと言われるかもしれないが、それでも嬉しかった。

うまくいかないことを会社や組織のせいにするのは簡単だ。でも大事な事はそこから、今自分たちになにができるかということ。ひとつひとつ。1プレー1プレー。一枚一枚。それをひたむきに積み重ねていくことで逆転の目はあると思う。

仲間のためにタックルしてパスをつないで、チーム全員で結果を出そう。そのときは我々ラグビー部が必要ないなんて誰に言わせない。言わせてたまるか。

だからもう一度一緒にやろう。アストロズには君が必要だ。皆グラウンドで待ってるぞ。

と佐々に告げた君嶋。

グラウンドに走る佐々。

「何してるんだ佐々。遅刻だぞ。言い出しっぺのお前がいなくてどうするんだ。ファイターズ対策完成させるぞ。」といつも通りに迎え入れるメンバーたち。

里村は「さっさと着替えろ。練習するぞ。」と佐々にボールを渡した。

佐々は涙ぐんでいた。

君嶋に「これどうする?」と退部届を見せられ、佐々は退部届をびりびりに破った。そして佐々は皆の元へ走っていった。

そんなアストロズの姿をみて佐倉は「あの頃と同じです。父のもとへ皆集まってラグビー部が強くなるために、できるだけのことはやろうと。あんな風に一生懸命…」と言った。

「きっと昔のラグビー部にもピンチはいっぱいあったんだろうな。でもそれを乗り越えて今まで続いてきたんだ。我々もここで負けるわけにはいかないな。」と君嶋は言うのであった。

四試合目

プラチナリーグ 第四節

アストロズVSファイターズ

ファイターズの武器は強力なスクラムだ。まず押し負けたことはない。

「うちがもしあのスクラムを押せたら、ファイターズの攻撃パターンは半分に減る」

練習の成果をだすメンバーたち。

【14対32】

アストロズの勝利!

「お前の力じゃないか」と君嶋は佐々に言う。

「試合の前から勝負はついていた。試合に向けた準備は、相手より圧倒的に上回っていた。よくやったな。」と柴門は佐倉に言う。

しかしまだガラガラの観客席だった。

まだまだ地方は仕方ないのか…

そんな中大声で叫ぶ青野の姿が観客席にはあった。

「わざわざここまで観に来てくれているファンもいる。ひとつひとつ全員で泥臭く戦っていくしかない」と君嶋は言った。

その滝川はアストロズの結果をパソコンでチェックしていた。観客数は2140人。

「アストロズは諦めが悪い。みてろよー」と君嶋。

そして遂に天敵との戦いは近づいていた。

さいごに

本当に米津玄師さんのエンディング曲がいいタイミングで挿入されて、感動が増します。ついつい感情移入しちゃいますね。

4連勝のアストロズ。チームが出来上がってきて、結果に繋がってきている。

この後、アストロズは勝ち進めていくことができるのか。

滝川はアストロズを認めてくれるのか。

サイクロンズと対戦することはできるのか。

まだまだこれからの展開も読めずに楽しみですね!

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